アフターピル(緊急避妊薬)の効果を最大限に引き出すためのポイント

アフターピル（緊急避妊薬）は、避妊に失敗したときや予期せぬ性行為のあとに妊娠を防ぐための薬です。正しい方法で服用すれば、高い確率で妊娠を防ぐことができます。

しかし、効果を最大限に引き出すためには、正しいタイミングや飲み方、注意点を理解しておくことがとても大切です。

この記事では、アフターピルの働きから、効果的な飲み方、注意すべき点、そして万が一効果が出にくい場合の対処法まで詳しく解説します。

アフターピル（緊急避妊薬）の効果とは？

この章では、アフターピルがどのように妊娠を防ぐのかについて、3つの働きを中心に解説します。

妊娠の成立を防ぐ働きがある

アフターピルは妊娠の成立を防ぐための薬です。性交後に服用することで、妊娠に必要なプロセスをストップさせます。妊娠は「排卵 → 受精 → 着床」という流れで成立しますが、アフターピルはこの流れのいずれかを止めることで妊娠を防ぎます。

主に排卵のタイミングを遅らせたり、精子が卵子と出会うのを防いだり、子宮内膜の状態を変えて受精卵が着床しにくいようにします。

このようにして、アフターピルは妊娠が成立するのを高い確率で防ぐのです。

排卵を遅らせることで受精を防ぐ

排卵を遅らせることは、アフターピルの最も大きな効果の一つです。性交後にすぐ服用すれば、まだ排卵していない場合、排卵そのものを遅らせることができます。排卵が遅れることで、精子と卵子が出会う可能性が下がり、妊娠を防ぐことができます。

排卵は通常、月経の約14日前に起こりますが、女性によってタイミングはバラバラです。そのため、タイミングによってアフターピルの効果にも差が出ます。

子宮内膜を変化させて着床を防ぐ

アフターピルには子宮内膜を変化させる作用もあります。受精卵が子宮にたどり着いても、着床しにくい環境にすることで妊娠を防ぐのです。着床とは、受精卵が子宮内膜にくっつくことで妊娠が成立する最終段階です。

そのため、排卵後に服用しても、ある程度の避妊効果が期待できます。ただし、排卵後の服用では避妊成功率が下がる可能性があるので注意が必要です。

アフターピル（緊急避妊薬）の効果を引き出す服用法と飲み方

ここでは、アフターピルを最大限に効果的に使うための服用方法や注意点を詳しく解説します。

医師の指導に従って服用する

アフターピルは必ず医師の指導のもとで服用しましょう。自己判断での服用はリスクを伴います。副作用やアレルギー、妊娠のリスクを正しく見極めるには医師の診察が不可欠です。

また、種類によって用量や飲むタイミングが異なる場合がありますので、必ず説明をよく聞いてください。

性交後72時間以内に服用する

アフターピルは早く服用するほど効果が高い薬です。一般的には、性交後72時間（3日）以内の服用が推奨されています。この時間を過ぎると避妊効果が大きく下がってしまいます。

とくに排卵日が近い場合は、1時間でも早く飲むことが成功のカギになります。

24時間以内の服用で約95%の避妊成功率がある

アフターピルを性交後24時間以内に服用すれば、およそ95%の確率で妊娠を防げるとされています。逆に、48〜72時間後になると成功率は75%前後にまで下がります。

そのため、「早く飲む」というのは最も重要なポイントです。

120時間（5日）まで効果が期待できる薬もある

新しい種類のアフターピル（エラワンなど）は、性交後120時間（5日）以内でも効果があるとされています。従来の薬に比べて時間的な余裕があるのが特徴です。

ただし、薬によって作用が異なるため、どの薬が自分に合っているかは医師に相談してください。

ノルレボ・レボノルゲストレル錠を正確に服用する

現在日本で主に使われているアフターピルは、ノルレボ錠またはレボノルゲストレル錠です。1錠を一度に服用するのが一般的ですが、種類によっては2回に分けて飲むものもあります。

必ず説明書を確認し、間違えずに服用しましょう。

体調に合わせてタイミングを調整する

アフターピルは体に強い影響を与える場合があります。服用前に体調が悪いと感じたら、医師と相談してから飲むようにしましょう。

また、服用後に強い吐き気や腹痛を感じる人もいます。その場合もすぐに医師に相談しましょう。

服用後に吐いた場合は再服用が必要な場合がある

薬を飲んだ後2時間以内に嘔吐してしまった場合は、体内に吸収されていない可能性があります。この場合、再度同じ薬を服用する必要があるかもしれません。

この判断も医師に委ねることが大切ですので、すぐに連絡しましょう。

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アフターピル（緊急避妊薬）の効果を左右する飲み方の注意点

正しく服用しても、生活習慣や体質によって効果に差が出ることがあります。以下のポイントに注意してください。

食後・空腹時の違いによる吸収の差に注意する

アフターピルは食事の有無で吸収に差が出ることがあります。一般的には空腹時でも問題なく吸収されますが、胃が弱い人は食後に服用したほうが安心です。

ただし、油っぽい食事の直後だと薬の吸収が遅れる可能性があるので注意しましょう。

他の薬との飲み合わせに注意する

抗生物質やてんかん薬など、一部の薬はアフターピルの効果を弱めることがあります。持病で薬を服用している人は、必ず医師や薬剤師に相談してから飲むようにしましょう。

服用後は安静にして体調を整える

アフターピルを服用した後は、なるべく安静に過ごすことが大切です。軽い吐き気や頭痛、だるさなどを感じる人もいますが、無理をせず休むことで体調を整えることができます。

水分をしっかり取り、温かくして過ごしましょう。

アフターピル（緊急避妊薬）の効果が出にくいケースとその対処法

効果が期待通りに出ない場合もあります。そんな時には以下のポイントに注意しましょう。

服用が遅れた場合は早急に医療機関へ相談する

服用のタイミングが72時間を超えた場合、すぐに医師に相談してください。遅れてしまったからといって諦める必要はありません。120時間まで効果が期待できる薬もあるからです。

また、場合によっては妊娠検査や超音波検査を受ける必要があります。

体重やBMIが高いと効果が下がる可能性がある

最近の研究では、体重が高い女性やBMIが高い女性はアフターピルの効果が下がる可能性があるとされています。こうした場合は、より強力な薬の使用や医師との相談が必要です。

排卵後に服用した場合は避妊効果が低くなる

排卵がすでに終わっていた場合、アフターピルの効果は限定的です。排卵のタイミングを予測するのは難しいため、不安な場合は医師に相談して正しい判断をもらいましょう。

まとめ：アフターピル（緊急避妊薬）の効果を引き出す服用法と飲み方のポイント

アフターピルの効果を最大限にするには、「早く」「正確に」「医師の指導のもと」で服用することが基本です。

なるべく早く正確に服用することが大切

避妊に失敗したと気づいたら、できるだけ早くアフターピルを服用することが何より大切です。タイミングが早ければ早いほど、妊娠を防げる確率が高まります。

副作用や再服用の判断には医師のサポートが重要

副作用が出た場合や、服用後に吐いてしまった場合などは、自己判断せずに医師に相談することが大切です。妊娠の可能性や体への影響を正しく見てもらいましょう。

オンライン診療で迅速に入手できるサービスがある（例：スマルナ、メデリピルなど）

最近では、スマルナやメデリピルなどのオンライン診療サービスを利用すれば、自宅にいながらアフターピルを手に入れることができます。対面での受診が難しいときにも便利な選択肢です。

時間との勝負になる場面では、こうしたサービスの活用も検討してみてください。